≪レトロ写真≫

11日の総会で君波昭治・前常任幹事から業務を引き継ぎました。よろしくお願い申し上げます。

 10月まで在籍した写真調査部では昔の写真を見ることが多かった。昨秋から、共同通信は自社著作物を利用した発信の視点で毎日1枚「レトロ写真-あのころ」の配信を開始し、約1年間、出稿作業を担当した。過去に起きた日付をキーワードにして、数年から数十年前の写真に100字から150字の写真説明を付けて配信するもので、社の倉庫やデータベース保存の写真を新たに発信して活用を図るのが目的。



 写真探しは手探りの状態。発掘は写真部OBの方にお願いした。資料写真の著作権の確認や事実関係の調査、画像の修復など思いのほか手間がかかる。写真は「懐かしい」「ほのぼの」がキーワード。しかし、これらの写真に説明を付けるのが大変。アルバムの日付は撮影日なのか送信日なのか。撮影場所も無いのが多い。説明はやはり当時の新聞の情報が最もあてになり各紙の縮刷版を参考に作業した。



 「だっこちゃん」「フラフープ」「月光仮面」「力道山」「街頭テレビ」など見る人を昭和へいざなうテーマも発信できたと思っている。また、歴史的な節目の「終戦の日」「ミズーリ上の降伏」など重要なテーマも取り上げた。また、全然知らなかった新発見のテーマもあった。ひそかに自分の写真も潜り込ませた。



 8月15日付「太平洋戦争が終結」の写真は、同盟通信時代の大先輩の撮影。現在手元に残っているのは35ミリフィルムで15コマのネガ。終戦の日の写真について新聞社から取材を受けたこともあり大先輩のネガをじっくり見た。これが面白かった。

撮影時間は全コマとも、昼前後、天候は晴れ。前半に兵隊か、もしくは軍服姿の集団が行進している背景に皇居・二重橋が見える。一般の人も多いが表情が暗い。しかし、座り込んでいる人は見当たらない。



 後半のコマには、正門前で座り込んでいる人、泣いている人、直立している人、歩いている人が見え、国民がいろいろな思いで終戦を迎えた事実を伝える貴重なシーンとなった。

写真はあまり被写体に近づかずに撮影されている。全体的におとなしい印象。



 一連の写真は当日加盟社に送られた記録はない。撮影した内容から見ると、脚立を使用した形跡ない。泣く人も遠くから望遠レンズでまとめている。自分だったら被写体にワイドレンズでもっと寄って撮影したいと思うが・・。おそらく翌日に紙面には絶対に掲載されない群集のシーンを撮影したのも、終戦の日に何があったかを冷静に伝えようとしたのではないだろうか。



 結果的には当時各紙に掲載された「土下座」以外の写真も残った。古い写真を見ると撮影者の「息遣い」が伝ってきて、しばし「タイムスリップ」する楽しみを味わうことができた。




2009年12月