コラム
「新聞社写真部の将来は…?」
橘 薫(入社3年目)
大石健登(入社2年目)
今年の4月は、1日と2日が土曜、日曜だったために、多くの企業で月曜日の3日が入社式となりました。街を行き交うピカピカのスーツ姿の新人たちにこちらも気が引き締まる思いがします。
この時期は、将来のジャーナリストを目指す大学生らと話をする機会も増えます。「聞きたいことがあれば、なんでもどうぞ」なんて先輩面をして言ってしまうと様々な質問が飛んできます。そんな中に、「新聞社の写真部の将来はどうなのか?」というのがあります。質問者たちはおそらく、将来に不安を抱いているのでしょう。
これに対する私の答えは明快です。「将来は明るい」ということです。
世はビジュアル時代。これを先導するのは写真です。新聞紙面も華やかさが大事になっています。これを支えているのが写真です。インターネットニュースの世界でも、写真がないとなかなか記事まで読んでもらえません。動画も増えていますが、写真のように一瞬で心をとらえるような芸当はできません。
読売新聞でも、写真の重要度が日に日に増しています。公共の場に掲示する大型写真や報道写真展などの引き合いは増え、ネットの記事には写真が必須となっています。「写真は何枚あってもいいから」とネット担当者にせかされる「爆買い」状態に陥っています。この旺盛な需要に応えるため、4月1日付で写真部内にコンテンツ班を新設しました。写真の配信や利用を進めるチームで、一挙に二桁の部員を投入しました。
この一方で、現場を支える写真記者は枯渇状態が続いています。毎年入ってくる新人部員は順調に育ってくれてはいますが、それでも足りません。街でカメラを持っている若者を見かけると、思わず「ウチに入らない?」と声をかけたくなります。部員にも「写真記者希望者を探せ」と指示しています。このような状態なので、写真部を志望する若者は、将来を心配する必要はありません。
さて、今回掲載した写真ですが、この4月で入社2年目と3年目を迎えた読売写真部員の自信作です。本人が付けた写真説明も記載しておきます。将来の報道写真界を背負って立つ人材と期待しています。新聞紙面やネットニュースで2人の名前を見かけましたら、「どんな写真を撮るようになったのだろう」と注目していただければ幸いです。
2017年4月