1月21日(土)午後、横浜市中区の日本新聞博物館で「2016年報道写真展 記者講演会」を開きました(写真①=東京新聞撮影)。
新聞読者の方が60名来場、関係者を含めて70人を超える盛況の記者講演会になりました。

2016年報道写真展のメインテーマは多くの感動を呼んだリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックです。年間最高賞のグランプリを受賞した毎日新聞梅村記者は、400メートルリレーの第4走者で競り合うケンブリッジ飛鳥選手とジャマイカのウサイン・ボルト選手をとらえた瞬間の撮影秘話を披露、「バトンリレーと同じように取材する記者も取材位置を分担、チームワークで受賞できた作品」と取材位置の詳細も画面投影して説明しました。スポーツ写真がグランプリを受賞するのは記録が残るこの40年間でも初めてです。

「アナザーアングル」はどのようにして撮られているのか。撮影時の様子に加え、撮影に至るまでの取材秘話なども交えて講演したのは東京新聞由木記者(写真②)。4人の取材班を代表して取材の詳細について話しましたが、日常の見慣れた風景の中から「新しいアングル」を、しかも東京に限られた風景を探し出す苦労について来場していただいた方に聞き入っていただきました。

写真記者が被写体にどのようなアプローチをしてシャッターを切るのか。1枚の写真に仕上げるまでに現場に何度も足を運ぶような取材までの裏話や苦労について、新聞読者の理解が深まったのではないかと思います。

また「アナザーアングル」はSNSのインスタグラムを意識した正方形の画面に表現するよう企画したということから、議論はネットと写真の関係にも進みました。由木記者はネット上の画像にはない新しい表現を探して“いい写真”を新聞紙上で読者に届けたいと決意も語っていました。

参加したパネラーは以下の写真記者です。
グランプリ
「実力の銀、ボルトも驚く日本のリレー」(写真③)
毎日新聞 梅村 直承

企画部門賞
「アナザーアングル」(5枚組の1枚、写真④)
東京新聞 由木 直子

写真④

写真③

写真②

写真①