コラム
1月のコラム
新年が明けました。2015年が皆様にとって実りのある幸せの多い一年であるよう願っています。
前任の花井尊に代わり1月より事務局長に着任した池田正一です。よろしくお願いします。東京写真記者協会では、年末にその1年を報道写真で振り返る「報道写真展」を開催しています。2014年も12月13日からの12日間、日本橋三越本店の催事場をお借りして開催しました。会期中に5万人を超える入場者がありました。日本橋三越本店での開催は今年で10回目。都心の老舗デパートとはいえ、2005年の「報道写真展」には1万5000人の入場しかなかったことを考えると、報道写真展が広く認知され、1年間の報道写真でその年をふりかえる方が多くなったといえるでしょう。
会場の感想ノートには「写真展は私の1年の締めくくり」(60歳女性)、「1年間の月日の重みがよみがえる。感動をもらった」(男性)などの書き込みがありました。大正11年生まれの92歳のお年寄りは重い足を引きずりながら今年も来たと書き始め、「激動の瞬間をとらえた写真記者の健闘に敬意を表します」と激励の言葉をいただきました。
「一瞬を切り取った1枚にそれぞれのドラマがあった。それが写真の魅力。とても素晴らしい」(男性)、「涙なくして見られない写真やアスリートの姿に力をもらった」(73歳女性)など、現場で取材する写真記者の励みになる言葉もいただきました。東日本大震災の大津波被災地や福島第一原発事故の放射能汚染地区を継続して取材している加盟社の作品には、「一瞬の写真も、震災以来撮り続けている写真も伝える力があった」(男性)と評価していただきました。
東京写真記者協会加盟の新聞、通信、放送(NHK)の記者は、事件事故、災害の時には目の前の現実を冷徹な目で写真に切り取ります。つらい場面では被写体となった人たちへの温かい気持ちを忘れずに取材を続けるはずです。スポーツではベストを尽くすアスリートの姿への感動を1枚1枚の写真に込めて表現するでしょう。2015年はどのような年になるのでしょうか。写真記者はニュースの最前線で真摯に取材を続け、「時代の証言」となる記録を残します。
報道写真展は1月10日(土)から3月29日(日)までの約2か月半、横浜市中区の日本新聞博物館(みなとみらい線「日本大通り」駅下車)に場所を移して、同じ写真パネルを展示しています=写真。ご来場お待ちしています。
2015年1月