コラム
1月コラム 年頭挨拶
あけましておめでとうございます。
今年も皆さま方のご多幸をお祈り申し上げます。
日本橋三越本店で開かれた「2010年報道写真展」(10年12月17日~26日)は成功のうちに閉幕しました。日本人女性2人目の宇宙飛行士、山崎直子さんと、プロ野球日本一の原動力となった千葉ロッテマリーンズの井口資仁選手のテープカットでスタート。新聞やテレビが取り上げてくれたこともあり、連日満員の盛況ぶりでした。1月8日から3月6日まで、横浜市の日本新聞博物館に会場を移して展示されます。
昨年、報道展について触れた朝日新聞の「天声人語」に、「急ぎ足で会場を回って、政治の沈滞をスポーツと宇宙が埋め合わせた年だと思った」とありましたが、正鵠を得た指摘です。社会全体を閉塞感が覆う中、バンクーバー冬季五輪やサッカーW杯南アフリカ大会での日本人選手の活躍、オーストラリアの星空で燃え尽きた探査機「はやぶさ」の光芒は、一縷の希望を与えてくれたと言ってもいいでしょう。
09年は政権交代で「歴史が動いた年」と言われたのが嘘のように、10年から11年の年明けにかけて民主党の政権運営は「混迷」の様相を深め、おとそ気分どころではない「一寸先は闇」の状態です。年の瀬に小沢一郎元代表が政倫審出席を表明したものの、これら諸問題がこじれれば、民主党の分裂含みで政局は一気に緊迫化するでしょう。4月には統一地方選があります。昨夏の参院選大敗以来の民主党の退潮に歯止めが掛かるのかどうかも注目されます。
明るい話題としては、「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹投手のプロ入りが挙げられます。天性のスターである彼が活躍すればフィーバーは間違いなしでしょう。また、東京都墨田区に建設中の「東京スカイツリー」が今冬に竣工予定。開業は12年春ですが、「カウントダウン」騒ぎが今から目に浮かびます。
今年も、東京写真記者協会の写真記者ひとりひとりが「国民の知る権利」に応えるべく努力していきましょう。その記録は「時代の証言」であり、権力をチェックするとともに、弱い立場の人たちの代弁者の役割も担っています。同時に、年々レベルアップする企画ものに見られるように、ひとりの表現者として、豊かな想像力を1枚の写真の中に存分に羽ばたかせてくれることも期待しています。
2011年1月