「1948(昭23)年、後楽園球場で行われたプロ野球東西対抗でグラウンドにあふれた観客」

社内事情のはなしで恐縮です。先日、昭和21年の創刊以来ストックされているネガフィルムとベタ焼きアルバムの引っ越しを行いました。恥ずかしながら、弊社編集局はここ10年頻繁に引っ越しを行い、そのたびにネガフィルムなども移動を余儀なくされてきました。このたびやっと“安住の地”を得られ写真資料を余裕あるスペースにまとめることができた、というわけです。弊社でもアナログからデジタルへの移行は以前から進めているのですが、その元となるフィルムなどは保存しています。これらを見ることはとても楽しい作業です。その時代を過ごしたわけでもないのに懐かしさを覚えたりしています。写真からは昭和という時代を感じることはもちろん、スポーツ界、芸能界などの変遷なども読み取れます。デジタル世界で生かされている身にとっては、どれも新鮮です。

また、歴代の先輩カメラマンが残された作品を見てつくづく、味があるな~、と感じます。選手の表情が生き生きしていたり、写真のきりとり方が斬新です。今、味のある写真がどれほどあるのかといえば疑問符がつくばかりです。より速く現場写真を紙面に反映することができる今の仕組みに文句をつけるつもりはありませんが、手であわせていたピントがオートフォーカスになり、暗室作業がフォトショップになって以降、何かが抜け落ちた感覚があります。無駄を省いたことによって無くしてしまったものがあるような気がします。今後、カメラマンを取り巻く環境はさらに変化するでしょう。もちろん時代が求める変化に対応しなければいけませんが、忘れかけているかもしれないカメラマンとしての矜持は大切にしなければなりません。撮影という行為が単なる作業で終わってしまえば、見る側の共感は得られないはずです。写真資料室を見渡し、歴史を振り返りながら何となくそんなことを考えていました。



2009年5月