©2019 TOKYO PRESS PHOTOGRAPHERS ASSOCIATION
東京写真記者協会賞
「復興の色 東日本大震災から7年」
産経新聞社 宮崎 瑞穂 
東日本大震災から7年たった東北3県。日々変わりゆく復興の姿を色で切り取った
③黄金色。朝日に輝く大船渡湾に浮かび上がるバス。被災したJR大船渡線沿線を、現在はBRT(バス高速輸送システム)が運行している(岩手県大船渡市 2月27日)
①若葉色。地元高齢者が作る浮き玉を模したストラップ。国内外で人気の品だ(宮城県女川町 1月26日)
②群青色。防潮堤に設けられた大きな窓。海が一望できるようにと、地元住民の要望で作られた(岩手県宮古市 1月15日)
④赤紅色。踊るスパリゾートハワイアンズのフラガール。震災当時の経験を若手に伝えている(福島県いわき市 2月17日)
⑤白銅色。入り組むように建つ只出漁港の防潮堤。約70軒の漁業者とその暮らしを津波から守る(岩手県陸前高田市 2月16日)
一般ニュース部門賞(国内)
「72時間目前、「生きとるぞ」」
時事通信社 渡辺 寛之 
西日本豪雨で浸水した自宅から救出された男性(中央)。生存率が急激に下がるとされる72時間を目前に生還した
(7月9日、岡山県倉敷市真備町地区)
一般ニュース部門賞(海外)
「生きるための行列、今日も」
朝日新聞社 杉本 康弘 
ヨルダン川西岸のベツレヘムで、イスラエル領での日雇い仕事をするため、イスラエル軍検問所に早朝から長い列を作るパレスチナの男たち。トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言し、米大使館を移転したことで、イスラエルとパレスチナの対立は先鋭化し、緊張が続くが「生きるためにはイスラエルで働くしかない」(4月24日)
企画部門(国内)
「還暦・東京タワー」
東京新聞 嶋 邦夫 河口 貞史 池田 まみ 
①周辺に林立した高層ビル群に埋没することなく、ひときわ目を引く東京タワー。1958年の開業以来、東京のシンボルとして存在感を放ち続け、今年12月に60年の節目を迎える(東京都江戸川区・江東区の荒川上空で 10月2日)
②ライトアップされた東京タワーをバックに、インスタ映えスポットで写真を撮る外国人観光客(東京都港区 10月28日)
③窓枠を一新するなどリニューアル工事が進む東京タワーのメインデッキ。遠くには富士山を望む(10月21日 ドローンで撮影)  
④タワーの鉄骨にピンク色の塗料を下塗りする作業員。右の赤羽橋交差点付近の街灯で照らし出される形は「もう一つの東京タワー」と呼ばれ、人気だ(10月29日)
⑤増上寺からはるか東京湾を望む高所で行われる電球の交換作業。7月と10月の年2回行われる(10月10日)
企画部門賞(海外)
「壁のすき間 3分の抱擁」
読売新聞東京本社 冨田 大介 
トランプ大統領の移民政策で揺れる米国とメキシコの国境地帯を歩いた。
国境をまたいで引き離された家族が、13年ぶりに再会。たった「3分間」だけの触れ合いだった(米ニューメキシコ州サンランドパーク 10月13日)
亡命申請するため、米職員と面接する順番が書かれた紙切れ。保護施設で待つ女性が大切にしていた(メキシコ・ティフアナ 10月17日)
国境にかかる橋の上で寝起きしながら亡命申請の面接を待つ人たち。米税関・国境取締局の職員(左奥)が目を光らせていた(メキシコ・ヌエボラレド 10月15日)
国境に建てられた壁。右上はトランプ政権が公約した壁の「試作品」(メキシコ・ティフアナ 10月17日
スポーツ部門賞(国内)
「男女エースの密談」
報知新聞社 酒井 悠一 
全日本卓球選手権、混合ダブルスに出場した張本智和(右)、平野美宇組は試合中、ラケットで口元を隠しひそひそ話しで作戦を練った
(東京体育館 1月16日)
スポーツ部門賞(海外)
「「勝った~!!!」金メダルの雄叫び」
スポーツニッポン新聞社 小海途 良幹 
平昌五輪フィギュアスケート個人男子フリーの演技を終え、喜びを爆発させる羽生結弦。金メダルを獲得し、五輪男子66年ぶりの2連覇。日本勢金メダル第1号で日本選手団を勢いづけた
(韓国・江陵アイスアリーナ 2月17日)
文化芸能部門賞
「懺悔の涙」
スポーツニッポン新聞社 井上 徹 
女子高校生への強制わいせつの疑いで書類送検され、謝罪会見で涙を流すタレントの山口達也メンバー。芸能活動を無期限謹慎することを発表した。
(東京・千代田区 4月26日)
奨励賞一般ニュース部門(国内)
「空飛ぶ金魚」
東京新聞 堀内 洋助 
エサの横取りを狙うカラスに追われ、すくい上げたランチュウを落としてしまったオオグンカンドリ。大型の海鳥で熱帯から亜熱帯に分布するため、日本で見られるのはとても珍しい
(千葉県九十九里町・片貝漁港 9月28日)
奨励賞一般ニュース部門(海外)
「アメリカ 分断の行方」
読売新聞東京本社 冨田 大介 
米中間選挙前の共和党集会。トランプ大統領が分断をあおれば、支持者らは呼応してブーイングを上げる。選挙結果は上下両院でねじれを生み、分断の根深さを決定づけた
(アメリカ・テキサス州ヒューストン 10月22日)
奨励賞企画部門(国内)
「残したい集落の誇り、民俗芸能の継承模索」
毎日新聞社 喜尾武 真之介 
東北に伝わる民俗芸能が、東日本大震災発生後、集団移転や人口流出による担い手不足など深刻な影響を受けた。住民の離散などで活動の継続が困難になる団体も多い。
奨励賞企画部門(海外)
「幼い命 脅かす飢え 南スーダンの子供たち」
毎日新聞社 小川 昌宏 
内戦による混乱で深刻な食糧難にあえぐ南スーダン。故郷から逃れた避難民は全人口の3分の1にあたる約430万人に上る。経済は内戦により荒廃し、インフラの整備が進まない。終わりの見えない日々が続く子供たちの姿を追った。
①重度の栄養失調で診察を受けるメアリー・スティマちゃん(1)。あばら骨が浮き上がり顔や腕が黒ずんで見えるのは、栄養失調の症状の1つ。この2日後、短い生涯を終えた
②避難民キャンプから帰還した家族と住むジョージ・マルティクちゃん(3)。栄養失調の症状を見せ、顔にたかるハエもはらえない
③やせ細ったアチョコちゃん(2)。危険な 状態だが、母アゴック・クウェックさん(20)は「元気になって成長したら、学校に通わせたい」と愛娘を抱き寄せ、頬を寄せた。
④やせ細るザンデ・エリアちゃん(5)。テ ント内のベッドは暑くて寝ていられないため、日中は母(左)と病院の敷地内に敷いたゴザの上で過ごす
⑤食料配給が行われていたキャンプ脇の路上 で、配給用の袋からこぼれ落ちた豆を拾うニャビュテュ・ボスさん(8)。1粒1粒拾っては、大事そうにシャツの端で包んだ。 (南スーダン・ジュバ)いずれも4月
奨励賞スポーツ部門(国内)
「さらばロシアの巨漢」
毎日新聞社 渡部 直樹 
現役最後の取り組みを終え、土俵に手を合わせた大相撲の歴代最重量力士、序二段の大露羅。2000年、初土俵を踏んでから18年。秋場所前の体重は292.6キロ。今後はロシアで生活、「まずジムに行き体を絞りたい」
(東京・両国国技館9月2日)

<受賞者コメント>
292・6キロ。歴代最重量の巨体から、私は目が離せませんでした。バチっと体があたったと思うと、そのまま寄り切り。最後は白星で終えました。力士は左右に体を揺らしながら花道に向かい、くるっと向きを変えて土俵に正対し手を合わせました。その間、さっきまであんなに揺れていた体が微動だにしなかったことに驚きました。ロシア出身。遠い異国でプロ選手として過ごした18年半の土俵人生は、社会人2年目の私にはとても想像できません。しかし、その長い歴史の中の、最後の一瞬を切り取れたことを光栄に思います。
奨励賞スポーツ部門(海外)
「予選突破を右手で死守」
読売新聞東京本社 稲垣 政則 
W杯ロシア大会。日本―ポーランド 前半、シュートを右手1本で防ぐGK川島永嗣。ピンチで反応良く飛び出すなど奮闘し、予選突破へ導いた。3大会連続でゴールを守り、日本のW杯最年長出場記録を達成した
(ロシア・ボルゴグラード 6月28日)
奨励賞文化芸能部門
「ダブル羽生 がっちり握手」
朝日新聞社 嶋田 達也 
園遊会で握手する将棋の羽生善治氏(中央左)とフィギュアスケートの羽生結弦選手(同右)
(東京・元赤坂の赤坂御苑)
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