奨励賞スポーツ部門(国内)
「さらばロシアの巨漢」
毎日新聞社 渡部 直樹
現役最後の取り組みを終え、土俵に手を合わせた大相撲の歴代最重量力士、序二段の大露羅。2000年、初土俵を踏んでから18年。秋場所前の体重は292.6キロ。今後はロシアで生活、「まずジムに行き体を絞りたい」
(東京・両国国技館9月2日)
<受賞者コメント>
292・6キロ。歴代最重量の巨体から、私は目が離せませんでした。バチっと体があたったと思うと、そのまま寄り切り。最後は白星で終えました。力士は左右に体を揺らしながら花道に向かい、くるっと向きを変えて土俵に正対し手を合わせました。その間、さっきまであんなに揺れていた体が微動だにしなかったことに驚きました。ロシア出身。遠い異国でプロ選手として過ごした18年半の土俵人生は、社会人2年目の私にはとても想像できません。しかし、その長い歴史の中の、最後の一瞬を切り取れたことを光栄に思います。